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オラクルCRM:トップ > 連載コラム『なぜ営業部門は変われないのか?〜営業の可視化が組織を変革する〜』
なぜ営業部門は変われないのか? 〜営業の可視化が組織を変革する〜

第6回:なぜ営業部門は変われないのか?徹底と実践のための5つのステップ

横田 雅俊 氏
株式会社カーナープロダクト
代表取締役


長野県生まれ。
工学部にて設計を専攻。設計士として活躍。その後、外資系ISO審査機関にて営業職を経験。「最年少」「最短」「最高」記録を更新し、世界2,300人のトップセールスとして、東京本社マネージャーに就任。3年で同機関を日本有数のISO審査登録機関へ(単年登録件数日本No.1)と急成長させる原動力として活躍。
株式会社カーナープロダクト設立。代表取締役就任。現在に至る。理論主義を否定し、実践重視の営業力分析・営業戦略構築・営業トレーニングに定評。「利益に直結させる」をモットーに、これまで数多くの企業の営業力強化に携わる。
さらにトップセールスの交流と育成に努める全国組織である、トップセールスリンク(Top Sales Link)を主宰。1,800人を超える優秀な営業マンの「ノウハウ」や「営業手法」を日本企業の営業力強化に役立てるべく尽力。講演、セミナー実績多数。

2つの不安

「明日出発して、アフリカ象に会ってきて下さい」

上司から突然このように言われたとしたら、あなたはどのように感じますか?いろいろな驚きや不満、疑問が頭をよぎることでしょう。「急に何を言い出すんだ!」「何のためにアフリカ象に会うんだ?」「なぜ自分が行かなければならないんだ」「アフリカ象って、アフリカのどこにいるんだ?」「どうやってそこまで行けばいいんだろう」「いったいいくら費用がかかるんだ」・・・・・。あまりにも突然で混乱し大きな不安を覚えるのではないでしょうか?

象

人間は全く予想していなかった行動を強制されると、不安と反発を感じます。その不安は大きく2つに分類することができます。1つ目は、理由と意義を理解できないことから発生する不安です。「なぜ象に?」「なぜ自分が?」という疑問は、与えられた指示の意味と理由を知らないことから起こります。

2つ目は、具体的な行動がイメージできないことから来る不安です。「どこに?」「どのように行けば?」「費用は?」といった心配は、具体的に「何を」「どのように」すれば良いのか想像がつかないために感じる心配です。アドバイスをしてくれる人がいなければ、何からスタートさせればよいのか、全く検討が付きません。理由も具体的な指示も与えられないとすれば、行動する気持ちになれないはずです。

実践しないのではなく、実践できない

営業部門を変革しようとして、新しい取り組みを始める時「なぜ」行動すべきか?「何を」「どのように」行なうべきか?を具体的に示す必要があります。もしそうしなければ、一般の営業社員は行動する動機付けを得られません。『指示を出すだけで、部下に丸投げ・・・』では誰も動かないのです。もちろん「なぜわからないんだ!」「どうしてできないんだ!」と怒鳴っても何も変わりません。組織を変革するためには、経営者と営業マネジャーのマネジメント力を向上させる必要があるのです。

会社の方針が徹底されないのはなぜだと思いますか?

上記のアンケート結果からも理解できるように、理由と具体的な取り組みが明確になっていないため、方針が徹底されず、営業組織が変革できないのです。営業プロセスを可視化して、課題が明確になっているにもかかわらず、組織が変革できないとすれば99%マネジメントに問題があります。あなたの指示を受けた部下は、実践したくないのではなく「実践する理由と意義を理解できない」「実践する方法がわからない」といった状況に陥っている可能性があります。実践したくてもできない人に、高圧的に叱咤激励しても逆効果ではないでしょうか?ではどうすれば、徹底と実践を確実に行なうことができるのでしょうか?変わる組織と変わらない組織はどこが違うのでしょうか?

根拠を与え意識と行動の障壁を取り除く

「総論賛成・各論反対」という言葉があります。大きな方向性には賛同しても、具体的な取り組みの話になると突然反論や反発が起こるものです。営業力を強化し組織を変革しようとする場合も、「新規開拓を強化しよう」という漠然とした目標には賛成しても、自分が新規開拓の専任担当に指名されるとなると途端に「それは無理だ」と言い出すのです。

組織を動かすには、営業担当者個人が行動する根拠を持つ必要があります。自分が行動しなければならないのはなぜか?それぞれの営業担当者が理解し納得していなければならないのです。大きな方向性だけではなく、具体的に、自分が何をするかに関して動機付けを得る必要があるのです。各論にも賛成する人が多ければ多いほど、実践と徹底は確実なものになるのです。

実践のカギは上司のコーチング力

行動する動機付けを得ても、全てが思い通りに実践できるわけではありません。時間・スキル・能力・ツールなど様々な面で課題が持ち上がります。そのような時、上司が具体的なアドバイスを実施し、コーチングすることができなければ、営業担当者は大きな壁に阻まれて、やがては意気消沈してしまうことでしょう。

実践と徹底の5つのステップ

1.現状把握と課題抽出

なぜ実践しなければならないのか?納得できる根拠がなければ、頭では理解できても行動はできません。現状を客観的に分析し『「何を」「どのように」行動すべきか』『「なぜ」今行動しなければならないのか』を明確にしなければなりません。営業担当者全員が自分自身で「動機付け」をする必要があるのです。

2.役割付与と意識の共有化

大きな方向性を示すと共に、ミドルマネジャーや営業担当者が個人として何をする必要があるのかを示します。総論賛成・各論反対という事態を避けるためにも、それぞれの役割を認識させ上司と部下の意識を同じ方向に向けます。ベクトル合わせを確実に行なうことで、チームに一体感を醸し出すことができます。部下が自ら考えて柔軟に行動するためにも、このステップは非常に重要です。

3.アクションプラン作成

優先順位と実行するスピードを明確にします。希望的な観測に基づいて、実行不可能な計画を立てるのではなく、確実に行動できるアクションプランを作成します。アクションプランは、後にフォローできる内容でなければ意味がありません。「浸透させる」「努力する」「協力体制をとる」などあいまいな表現を使わないようにしましょう。誰が・何を・いつまでに・どのように実行するのかをはっきり決める必要があります。

4.事前トレーニング

スキルのトレーニングやSFAやCRMを活用して蓄積したノウハウを活用した営業手法の実践方法を学ぶ必要があります。ディスカッションや、ロールプレイなど参加型のトレーニングを活用することで「実践したくても、実践できない」という状況を避けることができます。どんなトレーニングをすれば効果的に行動できるのかを上司が把握していなければ成果に直結する取り組みを行なうことはできません。

5.実践のフォローと障壁を取り除くコーチング

十分に準備し、トレーニングを重ねたとしても全てが思い通りに、進むわけではありません。計画通りに進んでいるか?進んでいなければ何が原因なのか?実践の障壁や取り組みを上司が汲み取り、具体的なアドバイスをする必要があります。個人のスキルや能力に頼るのではなく、組織として取り組む必要があるのです。

実践と徹底の5つのステップ

変革のスピードと継続性

営業組織の変革には終わりがありません。顧客や市場・競争相手は常に変化しています。企業も営業組織も変化し続けなければ成長を継続させることはできません。誰よりも早く状況の変化に気がつき、スピーディーに組織を変革させることができなければ生き残っていくことはできないのです。時には、ゴールのない競争を走っているように感じ疲れを覚えるかもしれません。しかし、新たな取り組みは組織の財産となり、営業担当者個人を成長させます。数年後、振り返ったとき確実に進歩していることを実感することができるでしょう。営業を変革する企業の努力は、決してムダではないのです!

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目次

第1回:「選ばれる営業」と「捨てられる営業」

なぜ「成長し続ける企業」と「壁にぶつかる企業」があるのでしょうか?
「競争に勝ち続ける営業組織」は何が違うのでしょうか?
リーダーシップを発揮する優秀な営業マネジャーが「育つ企業」と「育たない企業」があるのはなぜでしょうか?

第2回:なぜ科学的な営業が必要なのか?

いま日本企業の営業部門は「壁」にぶつかっています。営業担当者は個人として「努力しても売れない」「何をどのように変えれば売れるのかがわからない」という悩みを抱えています。また組織として営業の壁を経験している企業も少なくありません。市場の変化や、顧客の多様なニーズに対応できず「ジリ貧」に陥ってしまう企業は後を絶ちません。

第3回:「あの人の部下になりたい」と言わせる上司の視点

可視化した情報に基づいて営業を変革するためには、部下の心を動かし行動へと導かなければなりません。上司の指示に面と向かって反発しなくても、心の中で従っていないのであれば、今までのやり方を変化させることはできません。面従腹背の組織では営業の変革はできないのです。

第4回:なぜ営業システムは形骸化するのか?

「やらされ感」という言葉をお聞きになったことはありますか?
この言葉は営業部門にシステムを導入する際、必ず起こる問題を的確に表現しています。システム導入に否定的な営業担当者は「何のためにシステムが必要なのか?」「今のままでは何がいけないのか?」と不満の声を上げます。

第5回:成果に直結する「営業手法」の水平展開

同じ企業で働き、同じ商品を売っているにもかかわらず「売れる営業」と「売れない営業」が存在するのはなぜでしょうか?既存顧客の担当営業を変更するだけで受注が急増したり、逆に激減したりするのはなぜでしょうか?

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