Oracle Database for SAP



導入事例

データ・セグメント圧縮によるストレージ・コストの削減

信頼性を重視し、Oracle9i Databaseを採用
SAP BW活用による、データ量の増大解決のために
データ・セグメント圧縮により、平均40%削減

株式会社カプコン様

家庭用ゲームソフトの開発・販売を中核事業として 成長を続ける株式会社カプコンでは、基幹システムとしてSAP R/3を導入、さらにSAP BWを活用し、さまざまなデータを分析し経営に反映させている。そして、それらのシステムを支えるデータベースとして、Oracle9i Databaseを採用している。今回はOracle9i Database採用の経緯から、SAP BW利用時に必ず直面するであろう課題と、その解決手段、さらに今後の展望などについて、同社IT統括情報システム室 システムインフラチーム長 水野和人氏にお話を伺った。

信頼性重視でOracle9i Databaseを採用

カプコンでは基幹システムとしてSAP R/3を採用し、Windowsサーバ上で利用している。SAP R/3のデータベースとして採用しているのがOracle9i Databaseだ。最近の流れとして、SAP R/3をWindows上で使うケースでは、データベースはSQL Serverを採用するケースも少なくない。カプコンがOracle Databaseを採用する理由について、水野氏は次のように語る。「私自身データベースの選択にはこだわりを持っています。それは、基幹システムのような信頼性が求められるシステムについては、データベースにも相応の性能が必要だということです。SAP R/3の場合も、データベースにはいくつかの選択肢がありますが、信頼性や細かな設定が可能なチューニング性などを考えると、安心できるのはOracle9i Databaseということになりますね」。


株式会社 カプコン
IT統括 情報システム室
水野 和人氏

カプコンでは以前、基幹システムを旧システムから新システムへ移行した際に、データベースをOracle DatabaseからSQL Serverへ移行することも検討したという。
社内から管理が楽だという意見があったためである。しかし、基幹システムという用途を考えた場合、やはり前述の通り、データベースにもサーバと同様の信頼性を求めることとなり、最終的にはOracle Databaseを利用し続けることを選択した。
当時の経緯について、水野氏は次のように振り返る。「確かに一般的には、WindowsサーバにはSQL Serverという図式があるように思います。
基幹システム(UNIXサーバ)にはOracle Database、基幹ほどの信頼性が必要ではないシステム(Windowsサーバ)にはSQL Server、という意味も持っているのではないでしょうか。しかし、昨今はWindowsサーバの信頼性、可用性が向上したことから、基幹システムをWindowsサーバで構築することが当たり前になりました。基幹システムであっても、プラットフォームがWindowsということで、データベースに SQL Serverを選んでしまいがちですが、これはUNIXとWindowsの役割分担がはっきりしていた過去の記憶を引きずっているように思えます。プラットフォームが問題なのではなく、その用途が問題なのです。
そこで、たとえWindowsサーバであってもSAP R/3、つまり基幹システムを動かす以上は、データベースとしての信頼性を重視し、Oracle Databaseの利用を継続する決断をしたというわけです」。

SAP BW運用でストレージ容量が課題に

カプコンではビジネスインテリジェンス(BI)として、SAP BWを2003年に導入し、主に管理会計、経営管理などに活用しているほか、シェアや人気商品の地域差の分析などマーケティングにも活用している。こちらもWindowsサーバ上で動いており、データベースとしてOracle9i Databaseを採用しているが、利用を進めるに従い、データのストレージ容量が問題となってきた。もちろん、SAP BWのようなビジネスインテリジェンス(BI)ツールを使う以上、分析対象のデータは増大し、いつかストレージ容量の問題が出てくることは当初からわかっていた。そのため、導入時点では1年後をめどにストレージ容量を見直すことを織り込み、まずは250GBのストレージ領域をSAP BW用に確保していた。そして導入から1年が経った頃、当初の予想どおりのデータ増大に対応するため、ストレージ増設を検討することとなった。しかし、カプコンはストレージの増設を選択しなかった。「確かに以前にくらべ、最近はストレージ価格が下落し、ずいぶん導入しやすくなりました。でも、だからと言ってストレージを増設すればそれで良いのだろうかという疑念が残りました。やはり基幹システムで利用するデータである以上、データのバックアップは欠かせません。つまり、ストレージが増え、データがさらに増えると、そうした運用フェーズでの手間、バックアップ用テープのコストは間違いなく増大します。いくら導入コストが安くなったとはいえ、ストレージの増設は長い目で見て慎重に行うべきであろうという結論に達したのです」。

データ増大に対処するために「データ・セグメント圧縮」機能を利用

それではカプコンは一体どのようにしてデータ増大の問題を解決したのだろうか。実はカプコンがストレージ増設を検討していた頃、日本オラクルからOracle9i Databaseの機能の一つである「データ・セグメント圧縮」、いわゆるデータ圧縮を行ってはどうかということが提案されていた。それはデータを圧縮することで、データ容量を減らし、ストレージをより効率的に利用することで、データ増大に対応しようという、ストレージの増設とはまったく異なるアプローチによる解決手法であった。水野氏は期待と不安、入り交じる気持ちでこの提案を聞いたという。「私の固定観念かもしれませんが、『圧縮』を行うと、データ容量という部分では当然メリットがあるものの、CPUに負荷をかけることになり、レスポンスが低下するだろうと思っていたのです。しかし詳しい説明を聞くと、Oracle9i Databaseのデータ・セグメント圧縮機能はOracle9i Database内で完結するためCPUに負荷をかけることがなく、使い方によってはレスポンスの向上も見込めるということでした。この話を聞いて、技術者としてとても好奇心がくすぐられましたね」

その後カプコン社内でもデータ圧縮の採用が認可され、実際に圧縮作業が行われることとなった。圧縮作業を行う上でポイントになってくるのは、どのデータを、どの程度圧縮するかということだ。この部分のチューニング具合で、レスポンスに差が出てくる。そこで、圧縮の基本的な部分については日本オラクルが検証を行い、開発サーバ、評価サーバ、本番サーバの3台を用意し、さまざまな圧縮パターンを試してみることとなった。これらの作業についてはサーバメーカーの日本HPからのサポートもあり、非常にスムーズに進み、最終的には1ヵ月程度で運用を開始することができた。

データ圧縮の結果、データ容量は約60%に

さまざまな検証を行った結果、カプコンでのSAP BW運用には、上位5テーブルのみ圧縮するという対応がもっとも効果的であることがわかった。そして、その圧縮により、全体のデータ容量は約60%となり、40%分のストレージが開放されたのだ。実際はこれ以上に圧縮が可能なデータもあったものの、運用上あまり意味のない部分の圧縮は見送られた。そして現在、さすがに導入から4年が経ったこともあり、現在のストレージ容量は400GBまで増加している。しかし、導入後のデータ増加の推移を見る限り、仮にデータ圧縮を行っていなかったとしたら、現在テラバイトクラスのストレージが必要になっていたことも予想されるそうだ。こうした結果を踏まえ水野氏は圧縮機能の導入について、このように感じている。「結果的にストレージの増設を行ったものの、400GBで済んでいるということは、データ圧縮が非常に効果的だったということだと思います。またユーザからも特にレスポンスが低下したという話しもなく、非常に満足しています。」

SAP、Oracle Databaseのバージョンアップを予定

カプコンでは現在、SAP R3からSAP ECC、SAP BWからSAP BI 7.0へのバージョンアップを予定している。さらに同じタイミングでデータベースも現行のOracle9i DatabaseからOracle Database 10gへ移行する予定だ。そして、まずはこれらの移行を滞りなく完了させることと、移行後もこれまで同様にデータ圧縮を行っていくことが、現在もっとも重要なミッションとなっている。またこれとは別に、何らかのカタチでディザスタリカバリ環境を構築していきたいとも考えているそうだ。今後日本オラクルに期待することとして、水野氏は次のように述べている。「今回のデータ・セグメント圧縮機能もそうですが、Oracle Databaseの良さのひとつに、『○○したい』と思った時に、多くの場合それを実現する機能が用意されているという点があります。手さえ動かせば、いかようにもチューニングすることができるのです。ただし、そうした機能がなかなか紹介されていないように感じます。ぜひそうした情報を、提案や、宣伝といったカタチで提供してもらえればと思います。また、経営層にも理解しやすい、例えば「管理が楽になる」というだけでなく、その結果管理コストがこれだけ削減できるといったところまで踏み込んだ情報であると嬉しいですね」。

システム構成図

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