事例:セコムの選択 ミツカン
Oracle E-Business Suite
レガシーシステムを撤廃し、基幹業務システムにOracle E-Business Suiteをビッグバン導入

坂本昌俊氏 堀口辰男氏 足立力氏
情報システム部
システム開発1課
課長 坂本昌俊氏
情報システム部
部長 堀口辰男氏
次期グループ情報化
プロジェクトチーム
リーダー 足立力氏
創業から200年の歴史を誇るミツカンは、製品の多様化にともない、素材・食品・サービスの事業を分け、それぞれの利益を明確にするカンパニー制を導入した。各カンパニーの利益を多角的に分析し、需給情報を共有するには、既存のレガシーシステムでは限界にきていた。基幹システムの刷新にミツカンが選定したのはOracle E-Business Suite。今回のビッグバンプロジェクトの指揮をとった情報システム部部長の堀口辰男氏に話を伺った。


今回のお客様
会社名:
株式会社ミツカングループ本社
創 業:
1804年(文化元年)
従業員数:
約2,550名
事業所数:
本社および営業拠点15生産工場10
主要な事業内容:
調味料およびチルド食品の製造・販売
導入製品とサービス:
・Oracle Process Manufacturing
・Oracle Financials
・Oracle Purchasing
・Oracle Order Management
・Oracle Advanced SupplyChain Planning
・Oracle Consulting
対象システム:
会計、受発注、生産管理、生産計画、購買
導入効果:
・業績管理システムの実現
・需給情報のシームレス化
・マーケティング品質の向上とスピードアップ
・チルド事業の業務基盤整備
食品事業の拡大によりカンパニー制を導入

株式会社ミツカングループ本社は、ミツカングループ全体を統括する会社である。ミツカンはお酢のシェアでは日本でトップを誇るこの業界のリーダーであることはもちろんのこと、現在ではお酢を生産するための発酵と微生物育種の技術を生かし、様々な食品を開発し提供している。ミツカングループの企業理念は「買う身になって、まごころこめて、よい品を」であり、常にお客様の満足を第一に考えている。

ミツカングループは、これまで企業の発展と共にそれぞれの業務単位で最適なシステムを順次導入し、基幹システムを構築してきた。またカンパニー制を導入したため、それぞれのカンパニーの役割を正確に把握し評価することが重要となり、これらの個別のシステムから横断的にデータを収集し、顧客・製品・組織の3つの軸で自由に分析することが必要となっていた。

既存システムからデータを収集して分析するためのシステムを新たに開発する方法もあったが、これら経営分析に対する要求は企業の発展や成長に伴い変化するため、その都度開発や修正を繰り返すことは、既存システムをさらに複雑化させるため、効率が悪いと認識していた。このため今後グループ全体の経営の効率化を進めるためには、基幹データの一元化と柔軟な分析が実現できるよう、ITインフラを刷新する必要があると考えていた。

「製品だけでなく企業としての信頼性を考えて、グループ全社のIT改革パートナーにオラクルを選定した」と情報システム部部長の堀口辰男氏は語る。確かに基幹システム全体を一気に変えるビッグバン導入は、企業の生命線を入れ替えることであり、単に製品の機能が揃っているだけでは決断できない。「IT業界で今後も成長を続け、ミツカンの成長をリードしてくれるパートナーであることが選定の条件である」と言う。

 
分断されたシステムを統合

従来の基幹システムのアーキテクチャは、異なる業務システムが別々に存在していた。例えば販売系システムは汎用機を使用しており、一部の受注管理システムはクライアントサーバーで稼動していた。購買システムは汎用機とオフコンで稼動しており、生産システムでは実績系がオフコン、計画系はクライアントサーバーで稼動していた。また会計システムにも汎用機を使用するといった状況だった。

様々なシステムを増設していった結果、その管理コストが増大し、管理データの収集もタイムリーに対応できないものとなっていたのだ。近年買収したチルド系製品の事業部門では、業務システムが無かったため、新たにR/3を導入していたが、この受注出荷システムも限界にきており、組織の成長にとって障害となり始めていたのだった。これらの課題を根本的に解決するため、グループ全体のあらゆる業務を一元的に統合管理できる単一のITアーキテクチャを採用する方針を2000年に決定した。

2000年夏にはOracle E-Business Suiteの採用を決定し、ビッグバンによる導入プロジェクトを開始した。


柔軟なITインフラを構築し、業務プロセスを刷新

従来の古いテクノロジをベースにしたITインフラではバッチ処理を基本としたものが多かったため、必要な情報をタイムリーに得ることが困難だった。また追加機能、連携部分などの開発やメンテナンスにも必要以上の工数が発生し、組織の変更に対しても柔軟に対応することができなかった。ERPパッケージの採用により、ミツカンは最新テクノロジの恩恵を受けると共に、従来の業務の流れを刷新することもできた。

例えば製品の異常を発見した場合、Oracle Process Manufacturingのトレーサビリティ機能を使用して、原因ロットまでドリルダウン遡及することが可能となる。また、ミツカングループ全工場の在庫、及び使用量履歴の可視化を実現し、これにより原料の異常を発見した場合にも、全工場を対象に影響ロットをトレースすることが可能となった。

ミツカンはWebテクノロジをホームページだけでなく、業務システムへも活用しており、新プロジェクトで構築したシステムは、ほとんどのクライアントPCからブラウザを介して利用することができる。EIP、OLAP、ERP、RDB、OSのそれぞれのテクノロジにおいて業界で上位を占めている製品を中心に検討し、OLAPではOracle Discoverer、ERPではOracle E-Business Suite、RDBではOracle Databaseを採用した。


アウトソーシング利用による管理からの開放と資源の有効活用

新システムを安定的に稼動させ、かつサーバーやアプリケーションのメンテナンスから社員を解放させることを目的に、サーバー管理をアウトソーシングした。これにより人的資源を本業に集中させることが可能になる。全社共通のデータベースサーバーとOracle E-Business Suiteのサーバーは富士通が提供するセンターに配置しメンテナンスを外部に委託している。ミツカン本社とセンターのサーバー間は高速なネットワークで結んで利用している。また新しいサーバーのOSにはオープンなUNIXを中心に採用した。


導入プロセス

2000年夏よりビッグバン導入プロジェクトを開始。最初に会計システムが稼動し、続いて食品のプロセス生産管理、及び生産計画を含むロジスティクスシステムが稼動した。最後にミツカングループ全体を統括する業績管理システムが稼動し、当初予定していたプロジェクトが完了した。会計システムは2003年3月、ロジスティクスシステムは2003年6月に2工場で部分稼動を開始し、同2003年11月より全10工場における全社で稼動を開始した。


将来計画

今回刷新したシステムは365日24時間の稼動が要求されている。従来のシステムのようにメンテナンスに3〜4日もシステムを停止させるわけにはいかない。現在ミツカンでは基幹システムのさらなる安定稼動を実現するために、ITインフラのリスクマネージメントに取り組んでいる。


オラクル選定理由

Oracle E-Business Suiteは機能比較の面ではR/3とほぼ互角だった。しかしミツカンでは企業の基幹システムを抜本的に入れ替えるため、導入する製品を提供する企業自体の将来性が重要であると考えていたのだ。IT業界における今後の成長性とビジネスパートナーとしてミツカンの成長に応えられる企業という観点で判断した結果、ミツカンはオラクルを選定したのだった。ミツカンの期待がオラクルの新たな成長の原動力となるだろう。

手前が博物館「酢の里」, 中央左手が旧本社建物。一番奥に見えるビルが、現在の本社
手前が博物館「酢の里」、中央左手が旧本社建物。
一番奥に見えるビルが現在の本社