事例:NECビッグローブの選択 NECビッグローブロゴ
Oracle Database 10g Enterprise Edition, Oracle Applications Server 10g, Oracle Real Application Clusters 10g

遠藤 由妃夫 氏   佐々木 貴彦 氏
基盤システム本部
サービスシステム構築グループ
グループマネージャー
遠藤 由妃夫 氏
  基盤システム本部
サービスシステム構築グループ
佐々木 貴彦 氏
「Oracle Database 10g Release2は、障害時のクラスタウェアによる復旧も早く、操作もしやすい。可用性の高いシステムができると、手応えを実感しました」
基盤システム本部 サービスシステム構築グループ
佐々木 貴彦 氏


今回のお客様
会社名:
NECビッグローブ株式会社
会員数:
BIGLOBE会員1,320万人
(2006年3月末現在)
アクセス数:
BIGLOBE関連ホームページ全体3,658万ページビュー/日
(2006年3月末現在)
コンテンツ:
総コンテンツ数885個
(2006年3月末現在)
導入製品とサービス:
・Oracle Database 10g
・Oracle Real Application Clusters 10g
・Oracle Data Guard 10g
・Oracle Enterprise Manager 10g
導入効果:
・データベースの迅速な構築
・障害発生時の早期復旧の実現
・運用管理およびメンテナンスの一元化
・システム無停止での効率的なパッチの適用
・データベース運用管理の簡便化
高品質で信頼性の高いサービス展開が加速

NECビッグローブが提供するインターネットサービスBIGLOBE。

1300万人を超える会員を擁する国内トップクラ スの総合インターネットサービス事業者だ。

ブロードバンドを活用した総合動画ポータル「BIGLOBEストリーム」による新しいメディアの創造や、ユビキタスコミュニケーションの「ウェブリサービス」など、積極的に新しいサービス事業を拡充。また、法人向けビジネスとしてストリーミング、ホスティング、Eマーケティング等のサービスにも力を入れている。

BIGLOBEでは2000年頃からブロードバンド化の進展を意識していた。インターネットの可能性が格段に広がって生活インフラとしての定着が進み、さらなる競争の激化を予測。高品質で信頼性の高いサービス展開が加速することを見越していた。それはコストの削減、ITリソースの効率化が要求されるということでもある。

事業展開そのものも加速していく。新サービス立ち上げの迅速性、サービス提供基盤の柔軟性も技術的な課題として解決を迫られていた。


「バーチャルデータセンタ」でサーバーとデータの分離・仮想化を行う

そこで打ち出したのが「バーチャルデータセンタ構想」だ。サービス機能を提供するデータセンタとデータを保持するストレージセンタを論理的に完全分離し、それらを複数のデータセンタにMAN(メトロポリタンエリアネットワーク)で有機的に接続する。基盤システム本部サービスシステム構築グループグループマネージャー遠藤由妃夫氏は、その狙いを「各データセンタに点在していたITリソースをひとつにまとめ、柔軟かつ迅速にサービスを提供できるインフラにすることです」と説明する。

分散されたデータセンタを統合運用することでスケーラビリティが高まり、サーバーとデータの分離・仮想化を行うことでサービスの拡張が容易になる。BC(ビジネスコンティニュイティ)、DR(ディザスタリカバリ)の点からもメリットがある。

運用が一元化され、設備も有効活用できるということで設備効率を極大化でき、最適なデータ管理のもと、データの保全性も向上するわけだ。


データベースの耐障害性をいかにクリアするか

データベースにもサービス立ち上げの迅速性が重視された。同社はWeb系のバックエンドデータベースには、オラクルデータベースを標準として採用している。

「データとして整合性を取りながらいかに安定的に運用するか、耐障害性をいかに高めるか。そうなるとやはり、信頼のおけるオラクルデータベースを選択しました」(遠藤氏)

可用性を向上するために、同社ではサービスごとにアクト・スタンバイ型のクラスタソフトを使いSANの構成でデータベースを利用。それによりデータの保全やシステムの高可用性を実現していた。


Oracle 10gでリードタイムをさらに短縮

データベースは安定運用やデータ保全性では問題なかった。だが、構築に時間がかかるという課題が残っていた。これではサービス展開の「迅速性」が達成できない。

そこでシステム構築までのリードタイムを短縮すべく、同社が2004年から取り組んでいるのがOracle Database 10g(Oracle 10g)の活用だ。大量のサーバーを連携させ性能と信頼性を高めるグリッド機能に着目。データベースをユーティリティ化してリードタイムを短縮するとともに1サービスあたりの単価を削減、ビジネスとしてもスモールスタートでき、かつ迅速性を目指す。



「ブロードバンド環境ではグリッドデータベースでないと太刀打ちできません。そこでOracle 10gでOracle Real Application Clusters 10g(Oracle RAC 10g)構成を組み、データインフラを共用のデータベースインフラとして活用しようとプロジェクトを開始しました」(遠藤氏)

検討を経て、2005年4月にまずは運用管理系システムで10gのRAC構成をスタート。半年間のフィールド検証・改善を経て、同年10月には実サービスへ適用を開始した。


パッチ適用が数分で、しかもシステムを止めずにできる

特に評価が高いのは、検証評価中の2005年8月に発表されたOracle 10g Release2(R2)だ。基盤システム本部サービスシステム構築グループ佐々木貴彦氏は、「R1より性能が上がってクラスタウェアの障害時復旧も早くなり、可用性の高いシステムができる」と手応えを実感したという。

従来は1インスタンスで1サービス、アクト・スタンバイという形でデータベースサーバーを構築していた。サービスの負荷が高まった時には迅速なスケールアウトが求められるが、Oracle RAC 10gを使った動的なシステム構成では1インスタンスに複数のサービスという構成となり、運用管理およびメンテナンスの一元化が大きなメリットとなる。

また、従来のオラクルデータベースはパッチ適用時に長時間停止しなければならず、その調整が難しかった。しかしOracle 10gのローリングアップデート機能でこの問題も解決した。

「以前はパッチ適用を行う際は30分〜40分のサービス停止が発生していました。Oracle Data Guard 10gを用いることで異なるバージョン間のデータベースの同期が行えるようになり、サービス停止はパッチ適用済みのスタンバイ環境にスイッチオーバを行う5分程度で済ませることができるようになりました。このローリングアップデート機能がなければ、おそらく1つのインスタンスに複数サービスを載せられなかったと思います」(佐々木氏)


データベースのユーティリティ化を極めたい

BIGLOBEでは、Oracle Enterprise Manager 10gを主にサービス間のリソース使用状況の管理に使っている。複数サービスが同居する環境で、あるサービスの負荷が高くなった時の影響を最小限に抑えるためにワークロード管理機能でリソース配分制御し、Oracle Enterprise Manager 10gで早急に高負荷のサービス検知と別サーバーへの再配置を行う構成をとっている。

Oracle Enterprise Manager 10g使用前は、データベースのチューニングに大変な時間がかかっていたうえ、技術者に高度なスキルも必要だったが、Oracle Enterprise Manager 10gによりWebベースの使いやすいインターフェースで管理できるようになった。「同種の製品はいろいろありますが、Oracle Enterprise Manager 10gが一番使いやすかった。運用中の環境で使えるのはもちろん、サービスイン前の開発、テスト段階でチューニングできるので重宝しています」と佐々木氏はいう。

現状、データベースは4ノードで組んでいるが、負荷が高くなればスケールアウトも可能だ。こうした柔軟さもオラクルならではのものだろう。

BIGLOBEのシステム構成は、事業の発展とともにさらに規模を拡大していく。今のところ、サービスを動かすサーバーの設定は人の手で行っているが、「負荷の高くなったサービスを別のノードに自動的に移せるようになれば」と、両氏の構想はふくらむ。同社のグリッドコンピューティングを実現するかたわらに、オラクルの技術がある。

本事例の内容は、2006年7月時点のものです。