個人型営業から組織型営業へ。日立コンサルティングは、Oracle CRM On Demandを用いて、案件管理を組織的におこなっている。成長中の同社にふさわしいSaaS型アプリケーションは、わずか1カ月半で使い始めることができたうえ、営業力強化に大きな効果をもたらしている。
案件管理の組織化で営業スタイル変革を目指す

- 株式会社日立コンサルティング
マネージングディレクター
西村 大輔氏 
- 株式会社日立コンサルティング
マネージングディレクター
青木 信氏
業務やシステムのグローバル標準化、日本版SOX法への対応など、さまざまな問題に直面する日本企業にとって、コンサルティングファームの支援はますます重要になっている。このような状況のなか、コンサルティング事業の強化に取り組んでいるのが株式会社日立製作所であり、その戦略の中核を担っているのが株式会社日立コンサルティングである。
日立コンサルティングは、地に足の着いた営業活動をベースに、「日本標準」のグローバルコンサルティングの確立を目指す。
「欧米のノウハウを借りるのではなく、日本発の新しいコンサルティングを創造してこそ、世界で活躍する日本企業を本当の意味で支援できるのです」と、マネージングディレクター 西村大輔氏は力強く語る。
同社が案件管理システムを使い始めたのは2006年10月のことだ。案件管理システムとは、顧客との関係が生まれてから、提案をおこない、契約を獲得するまでを管理するシステムである。「われわれは、日本企業に『個人型営業から組織型営業へ』という営業スタイルの大変革を提案していきたいと考えています。ただし、あるべき姿を理論として語るのではなく、日立コンサルティングが自ら率先して成功事例を作りたいと考えました」と、日立コンサルティング マネージングディレクター 青木信氏は語る。
組織的な案件管理ができれば、受注活動がスピードアップし、提案の付加価値が高まるなど、営業力強化に役立つ。さらに、受注見込みの予測確度の向上、人員の配置・増強計画など、企業戦略へフィードバックされる効果も大きい。
また、日立コンサルティングは、きわめて短期間に戦力を増強しているという事情もある。「案件管理をしようと考えたときの社員数は70名。それが半年ほどで450名となりました。さらに2007年度には700名、2008年度には1,000名体制となります。人数が増えても案件情報を確実に共有できる仕組を作ることが急務となっていました」と、シニアコンサルタント穴原めぐみ氏は説明する。
いますぐ導入して将来も使えるSaaS型アプリケーション

- 株式会社日立コンサルティング
シニアコンサルタント
穴原 めぐみ氏
案件管理システムとして採用したのは、オラクルが提供するSaaS(Software as a Service)型アプリケーション「Oracle CRM On Demand」である。
日立コンサルティングはその時、すぐに数十名規模で使うことができ、2〜3年後の1,000人体制にも対応できるシステムを求めていた。その点、Oracle CRM On Demandなら、ハードウェアを保有することなく、利用者数に応じた月額料金でCRM機能を利用することができる。しかも、複数企業にまったく同じ仕様のソフトウェアの機能を提供する従来型のASP(Application Service Provider)ではなく、データベースに項目を追加したり画面の表示項目を変えるなど、必要な変更ができるSaaS型アプリケーションである。
「Oracle CRMが、CRMシステムのグローバルなデファクトスタンダードであることも重要な評価ポイントです。日本ローカルで閉じられたシステムでは、世界で活躍する日本企業にお薦めすることができません」と西村氏は強調する。
導入期間が短く短期間で成果を出せるCRMシステム

- 株式会社日立コンサルティング
アシスタント
山尾 理紗氏
導入を決断してから、要件定義を経て使い始めるまでに、わずか1カ月半程度しかかからなかったのも、SaaS型アプリケーションならではの特長である。スピーディに構築、スピーディに成果をあげることは、日立コンサルティングが強く求めていたことであった。
現在の利用者は、ディレクターなど約50名で、案件管理と顧客管理にOracle CRM OnDemandを活用している。
「多種多様な分析機能が標準で提供されているのも、Oracle CRM On Demandの魅力です。丸1日かけて作っていた会議資料が、マウスのワンクリックで簡単にできるようになりました」と、アシスタント 山尾理紗氏は喜ぶ。ポール 与那嶺社長も、Oracle CRM On Demandで生成されたレポートを見ながら会議を進めるのが日常のスタイルとなったという。
Oracle CRM Enterprise Editionとの並行運用も可能
Oracle CRM On Demandによる案件管理は、さまざまな局面で効果をあげている。
第1に、横方向の連携が密になった。「『こういう案件があります』と書くと、必ず誰かがサジェスチョンを書き込む社風ができました。ディレクター間のコミュニケーションを通じて、ナレッジも蓄積されています」と青木氏は語る。 第2に、会社として積極的に追うべき戦略案件が事前にわかり、タイムリーに力を投入できるようになった。
第3に、人事部門における人員配置・増強計画の立案にも活用されている。
つまり、営業力強化に着実な効果があがっているのである。
Oracle CRM On Demandは、オンプレミス(自社内導入型)のOracle CRM EnterpriseEditionへスムーズに移行できる。また、SaaS型のOracle CRM On Demandと、オンプレミスのOracle CRM Enterprise Editionを連携させながら並行運用することも可能だ。
「データを入力する人はOracle CRM OnDemandでインターネット環境を活用し、マネジメント層はOracle CRM EnterpriseEditionで管理・分析をおこなうなど、ハイブリッドの活用形態はさまざまに考えられます。日立コンサルティングがOracle CRM OnDemandを使い、日立製作所ではOracle CRMEnterprise Editionを使いながら、互いに案件情報を共有してもいい。ハイブリッドに組み合わせることで、日立グループとしての総合力を発揮していくことも容易になるはずです」と青木氏は意欲的に語る。
Oracle CRM On Demandは多言語対応であるため、海外拠点との連携もスムーズだ。Oracle CRM On Demandは、日本発のグローバルコンサルティングの確立を側面から支援するのである。
今後、日立コンサルティングは、日立グループ以外の幅広い企業に向けても、自ら利用しているOracle CRM On Demandの運用ノウハウを提供し、グローバルな企業活動の成功をより強力に支援していく方針である。

本事例の内容は、2006年12月のものです。
