![]() “新しい基幹システムでは、とにかく止まらないような仕組みを二重三重で作りたいと考えていました。このニーズにしっかり対応してくれたのが、オラクルのRACをベースにしたシステム提案です”
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基幹システムの高い信頼性が要求される「市場唯一の卸業者」長崎県は、全国有数の水揚げを誇る水産県である。 「『黒潮』という世界最大級の海流が日本の南西海域から北東へ流れていますが、その大きな分流が長崎県の西海岸を洗い、さらに五島列島から対馬へとぶち当たっています。この流れに乗って、タイやヒラメをはじめとするさまざまな魚が回遊し、長崎県に海の恵みをもたらしているのです」と、長崎魚市株式会社 経理部 仕切課 課長 原田 貴氏は口火を切った。 長崎県には、長崎、佐世保、松浦といった卸売市場があるが、水揚げ金額がもっとも多いのが長崎魚市場である。正式名称は、長崎県地方卸売市場長崎魚市場。水揚げ金額は県内随一であるだけでなく、日本全国のなかでも2〜3位といったハイクラスの地位を占めており、魚の種類が多く、高級魚が多いことがうかがえる。 そしてこの長崎魚市場内で唯一の卸売業者が、長崎魚市株式会社である。長崎魚市場が扱う約200種の鮮魚を漁業生産者から集荷し、せり売りによって仲買人に販売する役目を一手に引き受けている。 唯一の卸業者であるだけに、長崎魚市の責任は重い。そして、同社の基幹システムが担っている役割も重い。長崎魚市では、魚の買い上げに毎日億単位のお金が動いている。万一、基幹システムが止まって支払いが遅れるようなことがあれば、多くの関係者に大変な迷惑がかかることになる。長崎魚市は基幹システム作りに細心の注意を払ってきたが、それでも、従来の基幹システムはバックアップの仕組みが十分でなく、システムに障害が生じて業務に支障をきたす事態も発生していた。原田氏をはじめとするシステム担当者は、「苦労、心配、ストレス」を日常的に抱えていたのである。
Oracle RACで「サービスがストップしないシステム」を構築信頼性に問題のある基幹システムをこれ以上使っていては、企業の信用にかかわる。 長崎魚市が基幹システムの刷新を決意したのは、2005年7月のことだ。長崎魚市は、「とにかくダウンしないシステムが欲しい」、「もしものときの万全なサポート体制を提供してほしい」という2点を絶対条件として、複数のベンダーやインテグレータに提案を求めた。 キヤノンシステムアンドサポート株式会社とキヤノンネットワークコミュニケーションズ株式会社の提案を採用したのは、Oracle Database 10gとOracle Real Application Clusters(以下、Oracle RAC)の組み合わせによって、サービスがダウンしないシステム構築を提案したベンダーだったからである。また、同社は「もしものときの万全なサポート体制」として、24時間365日のリモート監視という解決策もあわせて提示した。 実は長崎魚市は、従来の基幹システムでも、クラスタの仕組みを導入していた。サーバーを二重化してクラスタシステムを構築しOracleデータベースを動かしているのだから、理論的には、仮に1つのサーバーに障害が発生しても、もう1つのサーバーでサービスを止めずに引き継げるはずである。しかし実際には、クラスターソフトウェアとOS・ハードのサポートに問題もあり、2つのサーバー間の同期はうまくとれなかった。したがって、ダウンしたサーバーが実行中であった処理を、生きているサーバーへうまく引き継ぐフェイルオーバーができない。サーバーに障害が発生したときの復旧には膨大な時間が必要であり、これが、業務に支障を生じさせたり、取引先からのクレームを招いていた。 Oracle RACであれば、オラクルが10年以上の歳月をかけて研究を重ねてきたキャッシュフュージョン技術により、各サーバーのメモリ上のデータを高速に同期させることができる。したがって、1つのサーバーに障害が発生しても、実行中であった処理をスムーズに引き継いでサービスが継続される。さらに、データの再配置やアプリケーションの変更をおこなわずにクラスタのノードも追加できるため、今後のサーバー増強などもサービスを止めずにできる。サーバーやディスクはハードウェアである以上、ダウンする可能性をゼロにすることはできない。それでも、Oracle RACを用いれば、たとえ一部のシステムがダウンしてもサービスはダウンしない仕組みを作れるのである。 「Oracle RACは、システムの可用性・信頼性を高めることができるのは当然のこととして、Oracleデータベースとの親和性が高い点も重視しました」と、キヤノンネットワークコミュニケーションズは補足説明する。サーバーベンダーが提供する独自のクラスタの仕組みを別途導入するよりも、データベースとクラスタが一体になった仕組みを構築することで業務系アプリケーションとの連携もスムーズに実現でき、万全のシステムを構築できると提案したのである。 「実は、Oracle RACを提案してくれたのは当初キヤノンネットワークコミュニケーションズだけでしたが、検討が進むにつれて、他のベンダーやインテグレータもOracle RACを提案してもらうことにしました」と原田氏は明かす。 検討が進むにつれて、Oracle RAC導入へと気持ちが傾いていった長崎魚市。導入に向けては、一番初めの提案からOracle RACの良さを強調していたキヤノンネットワークコミュニケーションズの先見の明が改めて評価された。 2006年6月、長崎魚市は、キヤノンシステムアンドサポートとキヤノンネットワークコミュニケーションズを中心とするキヤノングループの提案を採用して、新しい基幹システム構築を開始した。
24時間監視サービスとあわせて万全の基幹システムを実現長崎魚市では現在、Oracle RACをベースにしたデータベース・システムが、基幹システムの業務処理を確実に支えている。Oracle Database 10gは、UNIX/Linux系OSではなくWindows OSで動かしているが、まったく問題のない安定稼動を続けている。 キヤノンネットワークコミュニケーションズは、東京の監視センターから24時間365日、有人によるリモート監視をおこなっている。しかも、インフラを含めたシステム構築をトータルで担当したため、監視のレベルは深い。トラブルが発生したことがわかるだけでなく、障害の詳細な内容や状況を把握し、原因追究まで可能な監視体制を実現した。また、物理的に大きく離れた場所からのリモート監視を万全の体制にするために、たとえばシステム自体を監視している監視ツールが正常に作動しているかどうかを監視するなど、「監視のための監視」もきめ細かく設計した。 その結果、新しい基幹システムは長崎魚市が望む万全なシステムを実現し、大きな安心を提供することができた。長崎魚市はシステムの運用管理負荷を大きく削減することができ、同社のシステム担当者は「苦労、不安、ストレス」から解放されたのである。 「新しい基幹システムでは、とにかく止まらないような仕組みを二重三重で作りたいと考えていました。また、万一止まっても万全のサポートが欲しい。そうした私どものニーズに、キヤノンはOracle RACと24時間のリモート監視という提案で、しっかり対応してくれました」と原田氏は晴れやかな表情で語った。
本事例の内容および役職は、2007年5月時点のものです。 |
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