事例:鹿島建設の選択

鹿島建設がOracle On Demandで人事システムの運用負荷を軽減、予防保守により効率的なシステム稼動の実現を目指す

“Oracle On Demandにより運用担当者の負担を減らし、その時間を新しい価値を生み出すために使えます。また高度な専門知識が必要なチューニングや予防保守的なケアも開発元がおこなってくれれば安心だと思いました”
鹿島建設株式会社 ITソリューション部 担当部長 事務システムグループ グループ長 宇田川 明氏

宇田川 明氏 清鶴田 雅彦氏    
鹿島建設株式会社
ITソリューション部
担当部長
事務システムグループ
グループ長
宇田川 明氏
鹿島建設株式会社
ITソリューション部
事務システムグループ
グループ主事
鶴田 雅彦氏
   
今回のお客様
会社名:
鹿島建設株式会社
設立:
1930(昭和5)年(創業は1840年)
資本金:
814億4,700万円(2007年3月)
従業員数:
9,084名(連結14,837名。2007年3月)
おもな事業内容:
建設事業、設計・エンジニアリング事業、開発事業、研究開発など
製品とサービス
  • Oracle On Demand
  • Oracle E-Business Suite(HR、PAY)
対象システム:
人事システム
導入効果:
  • システムの運用やアップグレード、障害対応における担当者の負荷の低減
  • 人的リソースの運用業務から通常業務(企画・開発など)への集中
  • 製品開発元のサポートにより予防保守を実現し、より効率的なシステム運用を期待

1840(天保11)年に創業し、日本の建築業界の中枢として歩み続けてきた鹿島建設株式会社。単体で9,000人を超える従業員を擁する同社は、そのヒューマンリソースを管理するための人事システムとして2002年から「Oracle E-Business Suite」(以下、Oracle EBS)を利用している。

2007年には、ハードウェアの老朽化に伴う障害やデータ量の増加などに対応するため、サーバーのリプレースを実施。それにあわせ、運用体制の強化と負荷の軽減を目指して導入したのが「Oracle On Demand」サービスである。

設備とITの融合による「快適な省エネ」を実現

鹿島建設のITソリューション部は、社内の情報基盤の整備や各部門を支援するシステムの構築だけでなく、施工現場へのIT導入による効率化や解析技術などによる設計・施工支援といったさまざまな役割を担っている。近年は「設備とITの融合」にも取り組み、オフィスやマンションにおけるITシステムの提案や設計支援をおこなうことも多い。たとえば、2007年7月に竣工した同社の新本社ビルでは、人感センサーを用いた空調・照明装置が導入され、日射・空調・照明をトータルで最適に制御して「快適な省エネ」を実現しているほか、設備系(Building Automation)とOA(Office Automation)のネットワークを統合する「B・OAネットシステム」で各席のPCから空調や照明を制御したり、エネルギー消費状況データを自動収集してビル運用に活用したりできる。

鹿島建設の人事システムはもともと自社で開発されていたが、期間や人的コストがかかるため、2002年からOracle EBSのHR(人事管理)モジュール及びPAY(給与計算)モジュールを導入している。ITソリューション部の担当部長である宇田川 明氏は次のように語る。「人事は企業のコアとなる業務ですが、汎用的な部分も多く、市販のパッケージ製品でも運用可能です。よいパッケージやサービスがあればそれを利用し、人材や時間を他の業務に集中させようと考えました」

Oracle EBSの導入後は日本OAUG(Oracle Applications Users Group)にも参加し、HRMS(Human Resources Management System)分科会においてITソリューション部 部長の松田 元男氏が会長を、宇田川氏が幹事を務めている。これらの活動に積極的に加わることで、日本のユーザーの立場からオラクル製品の質を高めるためのさまざまな提言をおこなっているのだ。

社員の負担が大きい運用体制を見直し
Oracle On Demandを採用

Oracle On Demand導入以前の運用体制には、負荷の増大や技術力の確保などの問題があったと、ITソリューション部の事務システムグループ 主事の鶴田 雅彦氏は話す。

「運用担当者は改良保守もおこなっており、残業時間が非常に多くなっていました。また、法改正に対応するため、夏季休暇期間中にシステムを止めてパッチを当てていましたが、担当者が毎年夏休みをとれないという状況は望ましくありません。カスタマイズされたアドオンなどの検証作業も大変で、これらの負荷を減らす必要がありました。専任の運用担当者がいるわけではないので、スキルの面でも不安がありました」

そんななか、Oracle On Demandの存在を知った宇田川氏は「有効で期待できるサービス」と感じたという。「自分達の手を煩わさずにすめば、その時間を新しい価値を生み出すために使える」と考えたからだ。

また、データベースとパッケージ製品の開発元がサポートを提供することで、より高い安心感が得られると宇田川氏は話す。「データベースを有効活用するために、プログラムを組み込んで負荷をチェックしていたのですが、データベースのチューニングは専門知識がないと非常に困難です。こうしたチューニングや予防保守的なケアも開発元がおこなってくれれば安心だと思いました」

ITソリューション部にとって、オラクル製品に詳しい運用担当者よりも、建設とITが融合したシステムを企画・開発できる人材を育てることのほうが重要だ。「運用管理は人に依存する部分が多い」と鶴田氏が言うように、人事システムの安定稼動のために運用担当者を固定するのではなく、社員のスキルアップに合わせて部署を異動させるといった流動性がなければ、人材の育成にも支障が生じかねない。その意味でも、社内の人材を煩雑な運用作業から解放するOracle On Demandへの期待は大きい。「以前はサーバーが社内にあったため、ベンダーによるパッチ適用などの際に立会いが必要でしたが、オラクルのサポートは完全にリモートなので作業の軽減につながっています。また、このパッチを当てたいという要望にも対応してくれるので、日程調整なども含めて楽になりました」(鶴田氏)

システム構成

高いサービスレベルに満足しつつ
さらなるシステムの進化に期待

Oracle On Demandの導入後、とくに大きなトラブルや障害は発生していないが、宇田川氏は「やるべきことはきちんとこなしつつ、こちらの要望にも柔軟に対応してくれます。担当のSDM(Service Delivery Manager)が当社のためにしっかり動いてくれていると実感しています」と、現在のサービスレベルに満足している。

また、「今後も継続して利用しながら、要望も出していきたい」という鶴田氏は、Oracle On Demandへの期待を次のように話す。「小さなことでも逐一報告してくれるので、対応がきめ細かいという印象があります。とくに現在は、Oracleデータベース(10.2)とOracle EBS(11.5.10)のバージョンアップに向けて、1日に一度はメールか電話でやりとりしています。レポートでは何をしたかだけでなく、何が原因でどのような対応が必要となったかも報告してくれるので、こちらのスキルアップにもつながります。あとは、我々の運用ルールやポリシーへの理解をさらに深めてもらうことを期待したいですね」

オラクルのSDMと密に連携することによって、「阿吽の呼吸」でシステムを運用し、オラクルとの強力なパートナーシップを通じてシステムを進化させたいと宇田川氏も話す。「現状は、効率よりも安全面を優先してシステムを利用している段階です。今回、ハードウェアをリプレースし、運用体制も変えて安定性は確保しました。今後はもっと効率的なシステムにしていきたいと考えています。予防保守をおこなって資源がどう使われているかを把握したうえでオラクルから提案してもらい、コストパフォーマンスの高い、よりよいシステムを目指したいですね」

それを踏まえ、鶴田氏はシステムの課題について次のように語る。「Oracle On Demandによって、ミドルウェア層をサポートすることができました。その上のアプリケーション層については、Oracle EBSまではOracle On Demandでサポートできますが、運用を通じて増えたアドオンの機能をどうサポートしていくかが今後の課題です。これらのアドオンを整理し、より標準に近づけていけば、システム運用にかかる我々の作業負荷も減るはずです」

「人事給与管理だけでなく、オラクルのデータベース製品も利用しています。こういった基幹システムを支えるベンダーとしてオラクルに期待していますし、これらの業務についてもよいサービスがあれば検討したいと思います」と宇田川氏が話すように、鹿島建設では優れた製品やサービスに注目している。そうした要求に応え、システムを効率的に活用する製品・サービスを提供することが、鹿島建設のビジネスを大きく支援していくことにつながるのだ。

(本事例の内容は2008年3月のものです)