事例:野村ホールディングスの選択

野村ホールディングス、Oracle On Demandにより迅速でスムーズなOracle E-Business Suiteのバージョンアップを実現

"短期間で効率的なOracle E-Business Suiteのアップグレードをおこないたい。そのためにもOracle On Demandを選択して正解でした"
野村ホールディングス株式会社 主計部 システム・プランニング課長 エグゼクティブ・ディレクター 鍵和田 知明氏

鍵和田 知明氏 松本 誉史氏  
野村ホールディングス株式会社
主計部
システム・プランニング課長
エグゼクティブ・ディレクター
鍵和田 知明氏
株式会社野村総合研究所
システムコンサルティング事業本部
金融ITマネジメントコンサルティング部
上級システムコンサルタント
松本 誉史氏
 
会社名:
野村ホールディングス株式会社
設立:
1925(大正14)年12月25日
資本金:
1,828億円(2007年3月末現在)
従業員数:
16,144名(連結ベース。2007年3月末現在)
おもな事業内容:
野村證券などの証券業を中核とする投資・金融サービス業を営む子会社の事業活動を支配、管理する持株会社
製品とサービス:
  • Oracle E-Business Suite On Demand @Customer
  • Oracle E-Business Suite
対象システム:
会計システム
導入効果:
  • 条件の厳しいOracle EBSのアップグレードを短期間で効率的に実現
  • アップグレードと運用管理を別個におこなう場合に比べ、低コストで両方のサービスを利用
  • 専門家による運用と予防的管理体制がもたらす高い安心感

組織体制の拡充に合わせシステムのバージョンアップを検討

2001年10月、野村證券株式会社の持株会社への移行にともない誕生したのが野村ホールディングス株式会社だ。同社はグループ全体の経営効率を高め、野村證券をはじめとするグループ各社がその力を最大限発揮できるような環境を整える役割を担っている。

持株会社の設立にあたり、情報システム部門が会計システムの構築にじっくり取り組む時間はなかったため、業界における導入、稼動実績を重視し、会計システムには「Oracle E-Business Suite」(以下、Oracle EBS)が採用された。

設立当初は組織もコンパクトで、会計システムの負荷もそれほど大きなものではなく、システムは安定稼動していた。しかし、最近の急激な市場の変化などに対応するには、グループの総合力を高める必要があるため、2007年7月に組織を拡充し、より統合的なグループ経営体制をとることとなった。

野村ホールディングスの会計システムを担当する主計部 システム・プランニング課長の鍵和田 知明氏は、「変化に対応するためには、安定したインフラとして会計システムをより強固なものにする必要がありました」と語る。

そこでシステムの見直しをおこなったところ、安定稼動はしていたものの、ハードウェア、OS、そしてOracle EBSのベンダー・サポート期間が終了間近であることがわかった。つまり、これらを一気にアップグレードする必要があったのだ。

厳しい条件下でのアップグレードを適切なコストで

なるべく短期間で効率のよいアップグレードを目指し、同社は6カ月間で作業完了という目標を設定する。だが、Oracle EBSを最新版にするには、1つのバージョンではなく何段階かのアップグレードが必要だった。さらに、ハードウェアからOSに至る環境すべてをアップグレードしなければならない。これは条件としてきわめて厳しいものだった。

こうした厳しい条件下でのアップグレードを成功に導いたのが、オラクル製品の運用管理を同社の専門エンジニアがおこなう「Oracle On Demand」サービスだ。運用管理については、専門性の高い外部サービスを活用し、社内のスタッフは企画・開発にシフトしてより効率性を高める。そのため、外部の専門家のサポートにより信頼性の高い運用管理を実現するOracle On Demandのようなサービスの利用も視野に入れていた。今回は、日常的な運用管理だけでなく、Oracle EBSのアップグレードという目的も含めてOracle On Demandが提案されたのである。

「SIerに頼んで今回のアップグレードを実施していれば、SIerに支払う費用とその後のOracle On Demandの費用で二重にコストが発生していました。保守サービスと初期導入費用を含めても、Oracle On DemandのサービスのなかでOracle EBSのアップグレードを実施する方法は、コスト面で十分に競争力があります」と、鍵和田氏は指摘する。

6カ月という短期間でアップグレード作業を完了

プロジェクトの開始は2007年4月、Oracle On Demandの採用決定が5月で、6月から始まったアップグレード作業は11月に完了した。このような短期間でのアップグレードが実現したのは、プロジェクトに参加した複数の企業が一体となって作業を進めることができたからだ。

帳票出力など、Oracle EBSのアドオンとして開発された部分のフィット・アンド・ギャップを分析し、移行作業をおこなったのは全日空システム企画株式会社である。ハードウェアやOSといったインフラ周りのバージョンアップ作業は、株式会社野村総合研究所が担当した。そして、Oracle EBS本体のアップグレードをOracle On Demandサービスが受け持ち、プロジェクト全体を野村ホールディングスがリードするという体制が、じつにうまく機能したのだ。この体制のもと、アップグレード作業は大きなトラブルもなく進められた。

1つクリアしなければならなかった問題は、セキュリティの確保である。ニューヨーク証券取引所に上場している野村ホールディングスは米国SOX法の適用を受けるため、外部からのアクセスに対してかなり厳しいセキュリティ基準を設けている。Oracle On Demandのサービスを利用するには、野村ホールディングスとオラクルをネットワークで接続し、リモートで作業がおこなえる環境を作る必要があり、このセキュリティ要件を満たさなければならなかったのだ。鍵和田氏は、「これだけ厳しくセキュリティ管理がおこなわれているなかでOracle On Demandの導入を実現した例は、日本国内でほかにないでしょう」と話す。

高い安心感につながる予防的保守体制

短期間で実現できたOracle EBSのアップグレードに加え、その後のOracle On Demandによるプロフェッショナルな運用管理も評価は高い。アップグレード前はシステムの稼動監視程度しかおこなっておらず、「たまたま大きなトラブルが発生しなかっただけ」と鍵和田氏は振り返る。現在は、詳細な稼動レポートが毎月提出され、事前対策も提案してくれる。これにより、予期せぬ障害やパフォーマンス低下といったトラブル発生のリスクは大きく減ったことが実感できるという。

こういった事前対策は、本来ならばやっていて当然のことだが、システム環境の複雑化によりさまざまな専門知識を総動員しなければならず、これを自前のリソースだけで実現するのはかなり難しい。それよりも、外部の専門家に委託するほうが効率的であり、プロダクトをもっともよく知るプロフェッショナルに頼めば大きな安心感も得られる。

野村総合研究所の金融I Tマネジメントコンサルティング部上級システムコンサルタントの松本 誉史氏も、野村ホールディングスの会計システムの運用管理サポートをおこなう立場からの意見として、予防的な運用管理体制は安心感の高いサービスだと語る。

「障害が発生していなければ、パッチが出ていても当てたくないというのが現場の本音でしょう。Oracle On Demandなら、提供されるパッチが現在の環境にどのような影響があるかをしっかり分析したうえで、すぐにパッチを当てるべきかどうかまで提案してくれます」

セキュリティ対策については、ここまでやれば完璧ということはない。予防的な保守管理の提案はもちろん、今後もさらなるセキュリティ対策の向上に努め、完全で安心な運用環境に近づけるためにも、同社がオラクルにかける期待は大きい。

(本事例の内容は2008年7月のものです)